【初期投資は１００億円程度】福島県いわき市、スタジアム整備の可能性調査結果公表

福島県いわき市は、１万５０００人以上を収容する球技専用スタジアムの整備に向けた事業可能性調査の結果を公表した。

　機能や規模をはじめ、候補地や資金調達、運用方法などを評価するとともに、スタジアムビジネスの成立可否を含めて検討した。初期投資は最低でも１００億円程度が見込まれ、資金の調達を課題に挙げた。

　調査は、いわきスポーツクラブが運営するサッカークラブ「いわきＦＣ」のＪリーグ昇格を見据え、Ｊ１ライセンスの取得に必要な１万５０００人以上のスタジアム整備を想定して実施した。

　報告書によると、施設機能はスタジアム単体の事業収益力を超え、スポーツを通じた地域経済の好循環を生み出す機能を備えていることが必要と指摘。サッカー観戦者へのアンケート結果などからコンベンション・展示場やＥスポーツ、フードコート、カフェ、レストラン、フィットネスジム、クリニック、合宿会場、ホテルなどの導入が考えられるとした。

　初期投資額はフィールドが天然芝または人工芝で開閉式の可動屋根の場合、約１６０億～１８０億円と試算。観客席の上部のみに庇を付ける場合は約１１０億～１２０億円を見込んだ。固定屋根は人工芝のみで試算し、膜構造は約１００億～１１０億円、金属構造は約１３０億～１９０億円と試算した。

　候補地は、いわき駅から２キロ圏内の平エリア、小名浜支所から２キロ圏内の小名浜エリア、２１世紀の森公園内の常磐エリア、内郷駅から２キロ圏内の内郷エリアの４カ所を挙げ、用地取得費は平エリアの約３８億円が最も高く、内郷エリアは約１７億円、小名浜エリアは約５億～１１億円。巨額の投資が必要になるため、段階的な整備の検討が必要としている。調査業務はＰｗＣアドバイザリーが担当。