2019年6月4日火曜日

【記者手帖】深刻化する気候変動の影響

全国的に気温が上昇した5月26日、全国の最高気温を記録したのは39.5度の北海道佐呂間町。この日全国で猛暑日を記録した53地点のうち8割以上の44地点が北海道の市町村だった。5月に北海道で猛暑日を観測したのは史上初めて◆帯広市の観光庭園では10万本のチューリップが枯れ、温度上昇でレールが変形する恐れがあるとしてJRで多数の運休が出た。暑さによる家畜の食欲減退や水不足によって牛乳や畑作物の生産量が低下するなど、北海道の主要産業である農業や観光業への影響が懸念される◆昨年の北海道胆振東部地震では、前日の台風による豪雨で地中に多くの水分を含んだことが、厚真町の大規模斜面崩壊や札幌市清田区で液状化が発生した要因の一つと考えられている。冷涼な地域は温暖化、温暖な地域は亜熱帯化し、それぞれの地域で過去の経験から予測できない現象が起きている◆心理学では暑さと攻撃性を生むイライラとの関係を示す研究は多いという。最近の目を覆いたくなるような事件との関係は分からないが、さまざまな場面で気候変動への早急な対応が求められる。(堀)

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