2019年6月21日金曜日

【建設業らに協力呼び掛け】東京都と五輪組織委、今夏に交通混雑緩和策試行

東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、2020年東京五輪・パラリンピックの開催に向け今夏に試行する交通混雑緩和策を公表した。

 大会期間に相当する集中取り組み期間(土日を除く7月22日~8月2日、同19~30日)を設け、物流や建設などの関係企業に混雑回避の取り組みを依頼する。都は期間中に稼働している都発注工事のうち、受注者の協力が得られる現場に対し、早朝や夜間の工事車両の出入りや工事車両数の削減も呼び掛ける予定だ。

 集中取り組み期間には五輪大会本番並みの交通量削減目標を掲げる。東京圏の一般交通は通常時の一律10%減を目指す。競技会場が集中していたり道路・鉄道の混雑が多発したりするエリアを重点取り組み地区(都内16カ所)と位置付け、出入りする交通量を30%減らす。首都高速道路の交通量も最大30%減を目標とする。

 都らは、交通需要の抑制・分散・平準化を図る交通需要マネジメント(TDM)の取り組み例として、混雑時間や混雑エリアを避けた車両通行などを挙げている。特に五輪開幕1年間に当たる7月24日前後の同22~26日には実際の削減効果の測定を計画している。

 7月24日、26日には本番さながらに交通システムマネジメント(TSM)も試行する。高速道路では都心方向に向かう11カ所の本線料金所で開放レーン数を制限するとともに、大会時に関係者専用となる選手村周辺など4カ所の入り口を閉鎖する。混雑が発生しやすい路線はモニタリングをし、混雑状況に応じた閉鎖入り口の追加や解除も行う。

 一般道では環状7号線にある都心方向の信号機で、午前5時~正午の青信号時間を短縮する。各競技会場で今夏から本格的に始まるテストイベントの期間に合わせ、会場付近の交通規制や駐車場の利用抑制の試行も別途行う予定だ。

 これらの取り組み内容は19日に開かれた両者主催の「輸送連絡調整会議(第8回)」で示された。約1カ月後の試行に向け、都が進めるスムーズビズの参加企業などを中心に、経済団体・業界団体なども介して協力を呼び掛ける。試行結果を踏まえ、本番に向けた改善策や追加対策の検討、TSM実施場所の見直しなどを進めるという。

 都は「都庁2020アクションプラン」の中で、大会期間中に都発注工事の調整に取り組む方針を打ち出している。今夏の試行については、関係各局で詳細を詰めている段階だ。

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