◇自分の手で一から仕上げる仕事◇
現場作業に従事していた父親の影響もあって、手に職を付けた職人の仕事が「格好いい」と憧れを抱いていた。
塗装職人になろう-。そう考えたのは卒業を控えた高校3年生の2学期後半。先生の勧めもあり、すぐに就職せず、建築塗装の知識と技能を無料で習得できる職業訓練校に通うことにした。1年間の受講で、技能の基本に加え、社会人としてのビジネスマナーも学んだ。
創業から100年以上がたった老舗塗装会社に入って2年目。この春就職した後輩の女性2人とも同じチームで日々の現場作業に当たる。
新人教育に付きっきりになる職長を補佐して仕事を進めるのが役割。さび止めや下地塗りなどを任されている。マンションのように住民に接する機会も多い現場では、「おはようございます」「ご迷惑お掛けします」とあいさつを欠かさないよう心掛けている。
塗装の魅力は「自分の手で一からきれいに仕上げることができる面白さ」。塗った材料が乾くまで待つ養生時間も大切な工程だと思えるようになった。物事に集中する「職人向き」と社内の評価も高い。特殊塗装の研修でもその片りんを見せているとか。
休日は「絵を描いたりゲームをしたり、小説を読んだりと家で静かに過ごすタイプ」。静から動への気持ちの切り替えが、現場仕事に頑張る力の源にもなっているようだ。
(こんどう・りいみ)
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