2020年7月22日水曜日

【空調・換気能力向上、映像設備も充実】東京ドーム、100億円投じ大規模改修へ

 読売新聞グループ本社(東京都千代田区、山口寿一社長)と読売巨人軍(同千代田区、今村司社長)、東京ドーム(同文京区、長岡勤社長)の3社が東京ドームの改修計画をまとめた。

 3年間で約100億円を投じ、空調・換気設備の能力増強工事、メインビジョンやコンコースの拡張工事などに取り組む。全観客席の換気環境を強化するなど感染症対策を徹底し、世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアムを目指す。施工者は明らかにしていない。

 換気はグラウンドレベル、来場者が利用する1、2階エリアとバルコニーの給気量を50%引き上げる。現状の給気量120万立方メートルを180万立方メートルに高め、観客席の空気は客席の下などから場外に排気する。気温と湿度を適切に保てるよう、12億円を投じて大型冷凍機を増設し、冷房能力も高める。東京ドームは加圧送風システムで膜屋根を浮揚させ維持させる構造になっており、大容量の換気設備の特徴を生かす。

 メインビジョンは2023年の開幕に向けて面積を約3・6倍にする。工事を2期に分け、1期はビッグボードと呼ばれる外野大型看板、下部のサブビジョンを一体化する。2期はスコアボードの演出をはじめ、デジタルネットワーク技術を駆使して情報発信の機能を向上させる。

 2期ではサブビジョンを合わせた現在の298平方メートル(メインビジョン238平方メートル)が1073平方メートル(968平方メートル)になる。メインビジョンは1期工事で約2倍、2期完了後に国内最大になる。

 感染症対策として観客の飛まつが1階に飛ばないよう、2階スタンドの最前部には透明のひさしを27日までに設ける。コンコースには大型の送風機を30台設置する。空気の流れが強まり観客は涼しさを感じられるという。来季にかけて女子トイレを121ブース、洗面台は145台新設し、それぞれ約1・6倍の313ブース、約3倍の220台にする。12カ所の手洗いスポットも新設する。

 来季は立ち見エリアの改修や喫煙ブースの撤去によって1階のコンコースを広げる。トイレや売店への人の動線を工夫し、密を防ぐ。デジタルサイネージや3Dセンサーを活用することで女性がトイレに分かりやすくたどり着けるよう工夫する。2階内野コンコースには新たにスイートルームを設置。7~10人用の半個室を8部屋整備する。

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