2020年7月29日水曜日

【お客様、ご満足いただけますか?】ターゲットはにゃんこ、建材で運動不足を解消!!

 スコティッシュフォールドにマンチカン、アメリカンショートヘア…。国内のペット市場を猫が席巻している。ペットフード協会の調査によると、2017年の飼育頭数は全国で952万頭と、犬の頭数(892万頭)を上回り、その数は増え続けている。

 飼育頭数の増加とともに室内で飼われる猫も増えた。注意すべきなのは運動不足。人と同じくストレスや肥満の元になる。大建工業は市場拡大とともに深刻化する猫の健康問題を俊敏にキャッチ。壁面に設置する階段状の「ねこステップ」を15年に発売した。売り上げは右肩上がりの状況で、直近の1~2年でも前年比20~30%増えているという。8月21日には商品を拡充する。

 マイペースで気ままな生き方に人はどこか心を引かれるのだろう。経済効果の大きさから「ネコノミクス」なる言葉まで創られた。市場調査や商品企画などを担当した同社の船渡まなみさんは「猫ステップは猫市場に向けてお試しという面があった。手応えがあったので大幅に商品を拡充することにした」と商品追加の背景を明かす。

 開発は家庭動物住環境研究家の助言も得ながら“猫目線”で進められた。壁面設置型の「ねこルート」は「いままでは階段状の『猫ステップ』しかなかったのでキャットウオーク的な商品を追加した」(船渡さん)。ルートの途中にはのぞき穴を開けた休憩用のボックスも設けた。「猫は身を隠して高い所から人間を見下ろすのが好き。見られた飼い主もうれしいという話もある」と船渡さん。猫と飼い主の両者が満足する商品だということを強調する。

 実はそののぞき穴にも苦労があった。船渡さんは開発者から聞いた話として「狭すぎてものぞいてくれないし、広すぎると落ちてしまう。絶妙な穴の直径とか細かいところを(専門家に)アドバイスしてもらった」。

 デザイン性の高い既存の壁面収納「ミセル」を応用した「ミセルねこ対応カウンター」は窓の下に取り付ける。カウンター上部の板を猫が歩けるように改良した。「猫は窓から外を見るのが好き。今までのミセルは上の板は滑りやすかった。滑りにくいカウンターにすることで、猫の動線として使えるようにした」(船渡さん)。収納スペースと猫の隠れ家を両立した「ねこシェルフ」や、猫の屋外への飛び出しを防ぐ「ねこゲート」も打ち出す。

 運動不足対策として今はキャットタワーがホームセンターなどで売られている。だが、インテリアにこだわりのある人の部屋だとどこかなじみにくい。船渡さんは「値段は高くなるかもしれないがインテリアとコーディネートしやすいアイテムはニーズがある」と自信を見せる。今後は「建材を選ぶ時に『まずは大建工業の商品を見よう』という印象付けができるようなブランドにする」ことを目指す。

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