2020年7月22日水曜日

【年間稼働率向上で収益力アップを】横河システム建築ら、ピッチ昇降型スタジアムの提案強化

 横河システム建築(千葉県船橋市、桑原一也社長)とスポーツ施設の設計などを手掛けるクーダジャパン(河野久米彦代表)が、サッカースタジアムにピッチ昇降システムを組み入れた「マルチユーススタジアム」の提案を強化している。

 ピッチを上昇した後、空いた下のスペースでサッカー以外のイベントが年間約300日開催できる。スタジアムの稼働率を高め収支改善につなげる。

 天然芝を敷設したサッカー場は試合の間隔を開けピッチコンディションを整える必要性がある。アウェーでの試合時やオフシーズンでも、スタジアムに人を入れてイベントを開くのは困難だった。

 マルチユーススタジアムは、ピッチ下の土間コンクリートにバスケットボールやバレーボール、テニス、スケートなどの競技会場を設営。スタンド最下部客席は分割して移動できるため、大きさの違う競技会場を取り囲むようにセッティングできる。大規模コンサートにも対応する。

 上空に移動したピッチが屋根代わりになるためよほどの荒天でない限り、安定した施設運営を実現する。上空で十分な日照を確保し芝生の成長を促進する。競技場の上部にはアーチ状の鉄骨を設置。ピッチ昇降に使うワイヤを取り付けるほか、開閉式の日陰膜を設置すれば夏場の強い直射日光が防げる。サッカークラブがJ2やJ1に昇格した場合、増築で客席数を増やす設計も可能だ。

 国内のサッカースタジアムは、ほとんどを自治体が所有している。使用しない期間が多く維持管理の費用負担も重い。事業収支をどう改善するかが課題となっていた。横河システム建築らは商業施設との組み合わせなどで、マルチユーススタジアムの稼働率を上げるトータル提案も視野に入れている。

天然芝ピッチ昇降システムの紹介動画はこちら

0 コメント :

コメントを投稿