3月19日に東京・築地の浜離宮建設プラザで日刊建設工業新聞主催の「外国人建設就労者の有効活用とリスク管理セミナー」が開かれました。
4月から始まる外国人建設就労者受入事業の概要、同事業に基づく特定監理団体と適正監理計画の認定など制度全般について、国土交通省の屋敷次郎建設市場整備課長からご説明いただいた後、エナジェティックグリーンの和田征樹共同代表取締役に「外国人材の管理とリスク回避」についてお話いただきました。
外国人建設就労者受入事業は、日本で3年間の技能実習を終えた外国人材を対象に特定活動として在留資格を与え、建設現場で活躍してもらう措置です。2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けた一時的な建設需要の増大に対応しようと昨年4月に関係閣僚会議で導入が決定されたことを受けて、国土交通省が中心となって制度化の検討が行われました。
外国人に就労者として日本の建設現場で活躍してもらうため、従来の技能実習制度を上回る監理体制を構築することを前提に、事業スキームが構築されました。就労する外国人が得る報酬も日本人と同程度とし、在留期間中の転職も認められています。屋敷氏によれば「働く人を大切にする」という基本理念の上に立脚する制度だということです。
和田氏は「CSR調達では、法令順守や人権・労働・環境保全にかかわる分野の要求事項を含まれる」と指摘。それを踏まえ、外国人材を受け入れる際のコミュニケーションや継続した教育の必要性を強調しました。
セミナーには、ベトナム大使館参事官のグェン・ザー・リェム労働管理部長も出席。ベトナムにおいて、建設労働者の能力向上を目指した取り組みが急ピッチで進められていることなどを紹介いただきました。グェン氏からは「技術レベルが高い日本の経験は、ベトナムの近代化に貢献できる」と大きな期待を寄せられました。
その後、日本貿易振興機構の山田美和氏をモデレーターに屋敷氏、和田氏、グェン氏が再び登壇してのパネルディスカッションを実施。最後に日本に在留する外国人材を対象とした母国語による相談への対応について、翻訳センターの高橋恵介氏が説明しました。
セミナーには各社の労務担当らが多数参加 |
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