間もなくリニューアルオープンするJTの「塩とたばこの博物館」 |
外国からの観光客を呼び込むインバウンド政策に力を入れる東京・墨田区が、博物館や美術館の誘致・整備に力を注いでいる。個性的な文化施設を区内に集めることで集客力や回遊性を高めるのが狙い。4月に日本たばこ産業(JT)の「塩とたばこの博物館」が東京都渋谷区から東京スカイツリーの近くに移転し、リニューアルオープン。両国地区では「刀剣博物館」の移転計画や、14年に着工した「すみだ北斎美術館」の整備事業も着々と進んでいる。
江戸時代から「ものづくりの街」として発展してきた墨田区。観光都市として国内外に知られるようになったのは、12年の東京スカイツリーの開業がきっかけだ。スカイツリー以外にも、相撲人気の再燃で注目されている両国国技館が、東京五輪でボクシングの競技会場になるなど観光資源には事欠かない。
山崎昇区長は「五輪開催を機に増加する外国人観光客の受け入れ体制を整え、国際観光都市づくりを強化する」と意欲的。施策の柱になるのが文化施設の誘致や整備だ。「塩とたばこの博物館」は、4月25日にリニューアルオープンする。新博物館(横川1の16の3)は、東京スカイツリーから徒歩10分以内と好立地位置で、浅草や両国など人気の観光スポットにも近い。
両国地区では、日本美術刀剣保存協会が運営する「刀剣博物館」の移転計画が進む。移転先は、国技館北側の旧安田庭園。両国駅の東側では、区が「すみだ北斎美術館」(亀沢2の7の区立緑町公園内)の整備を進めている。地元出身といわれる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の作品を収蔵・展示する美術館だ。浮世絵は海外でも知名度が高く、個性的な建物と相まって観光の目玉施設になりそうだ。
区内の観光産業をけん引するスカイツリー周辺、両国の両地区には、既に「郵政博物館」や「江戸東京博物館」などの個性的な文化施設があり、休日は多くの来場者でにぎわっている。区は、これらの既存施設に新たな文化施設を組み合わせて「芸術・文化のプロームナード」(山崎区長)を作り上げ、観光都市として国内外にアピールしたいと目論んでいる。
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