◇忙しいがやりがいある
宮城県東部土木事務所(石巻市)に赴任して3年。沿岸部に設けるかさ上げ道路の設計などを担当している。住民から電話や直接訪問で復興事業の進ちょくを問われることがあり、早期復興への期待を肌で感じる。それだけに「業務は日々忙しいがやりがいがある」。
蔵王町で生まれ育ち、栃木の宇都宮大学で土木全般を学んだ。構造物のスケールの大きさや仕事の成果がはっきり見える点に魅力を感じ、卒業後は迷いなく建設業を志した。
公務員試験を受けるも不合格となり、国営みちのく杜の湖畔公園の事務所で数年間アルバイトとして勤務。周囲の薦めもあり宮城県庁の採用試験を受け、見事合格。09年に入庁し、土木技術者としてのキャリアをスタートさせた。
県沿岸の被災地域で土木技術職に携わる正規の女性職員はほかにおらず、県全体でも女性技術者の数は限られている。しかし、周りの職員や住民はみな親切に接してくれ「女性だから仕事をやりにくいと思ったことはない」。むしろ顔を覚えてもらいやすいなどメリットの方が大きいと感じている。
春から県東京事務所への異動が決まっている。初の東京勤務を前に不安もあるが「復興が円滑に進むよう調整役を果たしたい」と意気込む。(あがつま・じゅんこ)
0 comments :
コメントを投稿