先週末に自宅のある町をそぞろ歩きしていると、小学校の生け垣を大人たちがきれいに刈り込んでいた。今週開く卒業式の準備であろうか。巣立っていく児童たちへのはなむけとあれば精も出よう▼別の小学校には、いつの間にか見慣れないプレハブ校舎が立っていた。校舎を耐震補強する工事のための仮設教室だ。かつて同じように工事が始まった小学校に子どもを通わせる保護者から聞いたことがある。工事期間が知らされただけで、何をどう補強するかの説明はなかったという▼どんな工事をすれば地震に強い建物になるのか。工事はどうやって進むのか。それを児童に分かりやすく説明するのも、防災意識を根付かせる大きな一歩となるに違いない▼仙台市で開かれていた第3回国連防災世界会議がきょう閉幕する。太田昭宏国交相は15日の閣僚級会合で、日本では阪神大震災を契機に学校や住宅の耐震補強を進めてきたことなどを説明した。震災の教訓が生かされた好例であろう▼校舎の耐震補強に興味を持った児童の中から将来の建設技術者が育つかもしれない。卒業シーズンは大人も期待に胸が膨らむ。
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