2015年8月4日火曜日

【記者手帖】来訪者の安全対策も不可欠


 昨年9月の御嶽山の噴火に続き、箱根・大涌谷や口永良部島、浅間山など国内各地で火山活動が活発化している。気象庁によると、国内には110の活火山があり、そのうち47の火山について常時監視体制を敷いているという◆2020年東京五輪開催も控え、外国人観光客が増加している中、危機管理体制は十分だろうか。防災科学技術研究所が提供する「火山ハザードマップデータベース」を見ると、主に国土交通省や全国の地方自治体が作成した防災マップが数多く存在していることが分かる◆中には300年以上前に噴火した富士山のものもあるが、登山客のほとんどは防災マップの存在を知らないまま登山を楽しんでいるのが現状だろう。登山ブームの中、多くの人が噴火の危険をあまり気にしないまま火山に登っているのかもしれない。もしもの時に備え、ハザードマップの周知や緊急時の避難施設の整備を急ぐ必要がある◆国や地方自治体などの行政機関と建設業が協力して災害に備える体制が全国で整ってきた。これからは住民だけではなく、観光客など来訪者の安全対策に力を入れることも必要だろう。(は)

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