2015年8月11日火曜日

【回転窓】公衆トイレと落書き

 決して褒められた行為ではないだろう。が、それを承知であえて言えば、公衆トイレに落書きは付き物である。最近は掃除も設備も行き届いた清潔なトイレが当たり前になったが、一昔前までは、落書きなどはごく普通に見られる風景だったように思う▼先週、東京のJR御徒町駅構内の男子トイレに安倍晋三首相を批判する内容の落書きが見つかり、警察が器物損壊容疑で捜査を始めたとのニュースがあった。報道によれば、個室の壁に油性ペンで批判内容が短文で書かれているのを清掃員が発見、通報したという▼たかだか駅のトイレの落書きである。それがニュースとして報じられ、しかも警察が犯人捜しに乗りだしたという話に、少なからず違和感と驚きを覚えた▼公衆トイレの落書きといえば、昔から内容などだいたい相場は決まっている。たわいのない卑わいな文言や絵、有名人の悪口…。御徒町駅の「短文」の内容は報道では不明だが、警察が動くとは穏やかではない▼仮に首相批判が問題視されたとすれば、どこかの全体主義国家と変わりがなかろう。民主国家の日本で、よもやそれはないだろうが。


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