会員企業の若手職員と意見交換
石川県と石川県建設業協会は、建設業の新たな担い手確保・育成策として、県内の普通高校の生徒を対象にした現場見学会と意見交換会を21日に開いた。土木、建築系の科で学ぶ生徒だけでは、企業の採用予定人数を確保するのは困難なことを踏まえて、県主導で初めて実施した催しには6校から1~3年生19人が参加、3現場を見学して、石川建協会員企業の若手職員と意見を交わした。県主導による普通高校の生徒に建設業の魅力を伝える活動は全国的に見ても極めて珍しい。
県によると14年3月の高卒者で、県内の建設関連企業に就職したのは257人。うち土木、建築系の科の卒業者の割合は3割で、7割は普通科や商業科など建設業と直接関わりのない科で学んだ生徒だったという。このため県は、今春から石川建協と共同で見学会と、意見交換会の日程を調整した。県は県内の国公私立すべての高校に催しの日程を通知して、参加の有無を連絡するよう求めていた。
参加した生徒は、鶴来高校普通科3人、金沢辰巳丘高校2人、宝達高校普通科2人、志賀高校普通科7人、七尾東雲高校総合経営学科3人、小松大谷高校普通科2人。
生徒は3現場を見学して、金沢城公園で石川建協会員企業3社の若手職員との意見交換に臨んだ。職員は建設業の魅力ややりがい、就職した理由を語り、生徒たちからの質問に答えた。
見学した現場は、二ツ寺橋上部工(金沢市二ツ寺町)、北陸地方整備局の東部環状道路神谷内トンネル(金沢市神谷内町)、辰巳ダム(金沢市上辰巳町)。
二ツ寺町では完成直前の橋梁を、トンネルでは掘り始めの現場を視察。辰巳ダムでは内部を見学した。
現場見学会で担当者の説明を聞く学生
◇各県建設業協会の支部が地元の普通科や総合高校の生徒を対象にした現場見学会を開く試みは全国で増えてきている。
新潟県建設業協会村上支部は昨年3月に、新潟県労働局のハローワーク新潟らと共同で、県立村上桜ケ丘高校の生徒を対象に現場見学会と意見交換会を実施。
埼玉県建設業協会児玉支部は今年2月、普通科のある県内の本庄・児玉地域の各高校のうち、県立児玉、県立児玉白楊、県立本庄(定時制)、私立本庄第一-の4校との意見交換会を行っている。
だが、建設業となじみが薄い普通科などの生徒に建設業の魅力を伝える活動の県主導での実施は、全国的に見ても極めて珍しい。新卒の採用が難しいという課題は石川県に限らず、全国に共通する。同様の活動は全国に波及していくと予想される。
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