2015年8月19日水曜日

【回転窓】温暖化進むアルプス

 8月も後半に入り、夏山シーズンも終盤。下界はまだ残暑でも、高山の稜線には秋風が吹き始めているだろうか▼この夏、欧州アルプスは気温上昇で雪解けが加速。登山者の人気が特に高い最高峰モンブラン(4811メートル)では、雪崩や落石の危険が高まって登山道の利用自粛や山小屋の一時閉鎖を余儀なくされたと先日、通信社のニュースが伝えていた▼マッターホルン(4478メートル)の氷河では、45年も前に行方不明となった2人の日本人登山家の遺骨が見つかったとのニュースも。こちらは雪解けが進んだことで、過去に遭難したとみられる登山家の遺体がたびたび見つかっているそうである▼近年のアルプスは雪不足も深刻で、運営難に陥るスキー場も少なくないらしい。アルプスの気温上昇速度は世界平均を大幅に上回り、地球温暖化の影響が最も激しい地域と見る説もあるという▼日本の山と本場のアルプスとでは、温暖化の影響の出方もスケールが違うようだ。これだけ科学が発達しても、地球規模の気候変動予測は難しいだけに、この先何が起きるのか不気味でもある。人知の無力を思い知らされる。


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