2015年8月31日月曜日

【回転窓】内需依存国の日本


 若いころに習ったことは忘れないものだ。ただ、それが普遍的なことであればよいのだが、日々変化することであれば、誤った認識を持ち続けることになる▼「日本は輸出大国」と言われる。輸出額は年間70兆円を超えているため、輸出額の多い国ということであれば、確かに「輸出大国」と言える。資源のない日本が海外から資源を輸入し、それを加工して製品として海外に輸出する。日本経済そのものが輸出に頼っているというイメージがある▼だがその経済モデルは一昔前の話。輸出額をGDP(国内総生産)で割った数値を輸出依存率と言う。12年の日本の輸出依存率は13・4%。韓国は48・5%、ドイツは41・8%。日本が輸出に頼っていたのは40年前のことだ▼経済が内需に大きく依存しているにもかかわらず、輸出大国という言葉だけが残り、円高には敏感だが、内需刺激策には関心が薄いという状況が長年続いた。安易な公共事業費の削減はその典型だろう▼16年度予算概算要求が発表され、年末に向け予算編成作業が本格化する。内需刺激策には公共事業が効果的ということを強く言っておきたい。

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