アユタヤ地区に建設されたハントラ水門
国際協力機構(JICA)が日本政府の無償資金協力事業として、タイのアユタヤ県で建設を進めていた水門2基などの洪水対策施設が完成し、28日に現地で記念式典が行われる。11年に発生した洪水被害に対し、日本は東日本大震災で受けた支援への返礼と、震災の教訓を踏まえた防災分野での国際貢献の一環として、アユタヤ地区の洪水対策を支援。施工は前田建設が担当し、ゲートの製作・据え付け工事を日立造船が行った。
タイでは11年7月から断続的に続いた100年に一度といわれる豪雨で大規模な洪水が発生。首都バンコクや、工業集積地のあるアユタヤ県が浸水に見舞われ、現地に進出する日系企業も被害を受けた。
JICAが今回支援したアユタヤ地区洪水対策計画の対象地域はパサック川左岸(東側)、チャオプラヤ川との合流地点の直上流付近。総事業費は26億円(日本25・5億円、タイ0・5億円)。低地の雨水をパサック川に導く水路に、「ハントラ水門」(ステンレス鋼製ローラゲート幅6・0メートル×高さ7・1メートル、3門)と「クラマン水門」(同幅6・0メートル×高さ5・1メートル、3門)の2基を設置。ハントラ水路の護岸工事(延長484メートル)も行った。ポンプ車10台の配備も支援した。
これにより、11年の洪水で大きな被害を受けた水路南側に位置する工業集積地を含む地域一帯で、洪水被害が軽減されると期待されている。
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