宮城県女川町の離島、出島(いずしま)と本土を結ぶ「出島架橋」の詳細設計がまとまった。
設計方針などを検討する「町道女川出島線出島架橋技術検討委員会」(委員長・中沢正利東北学院大学工学部教授)の第6回会合が18日、県庁で開かれ、上部工の施工計画や点検用付属物の設置計画などを了承。主構造の合理化や維持管理計画など詳細設計に必要な項目の検討をすべて終えた。2020年度から本体工事に着手し、22年度の供用を目指す。
委員会では施工計画や付属物の詳細設計などについて議論。上部工は大部分を海上からクレーンで架設する。架設順は▽アンカーフレームとアーチリブ第1節(陸上架設)▽海上ベント(海上架設)▽アーチリブ側径間大ブロック(同)▽補剛桁側大ブロック(同)▽中央径間の大ブロック-とし、最後に海上のベントを撤去する。中央径間の架設は工場製作した部材を女川港に海上輸送して組み立て、大型クレーンでえい航して一括架設を行う。施工時は転倒防止用のアウトリガーを中央径間大ブロックの両端に取り付ける。
下部工については、起点側、終点側それぞれの橋台部に仮桟橋を設置し、橋脚を施工した後、橋台工事に取り掛かる。橋台の初期ひび割れを防ぐための対策も報告し、コンクリートは7段階で打ち込み、水平方向に継ぎ目を設けるなどの基本方針を示した。
付属物計画では支承回りを点検する通路を橋脚の上部に設置するほか、各所に点検用の通路や窓を設ける。支承を交換する際の手順も説明し、橋面部にクレーンを配置して補剛桁をジャッキアップし、新しい支承を取り付ける。
出島架橋の橋梁形式は鋼中路式アーチ橋。橋長は352メートル。車道部(幅5・5メートル)を含む全幅員は6・5メートル。本土と出島の陸地にそれぞれ2基ずつ下部工を設置する。橋梁本体の詳細設計と施工はJFEエンジニアリング・橋本店・東日本コンクリートJVが担当。完成後は女川町が橋を管理する。
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