2020年3月31日火曜日

【回転窓】就職氷河期世代は作らない

行政機関や企業などは今日が年度末というところも多い。国や地方自治体が4月から翌年3月までの1年間を会計年度としたのは1884(明治17)年。当時の政府が財政破綻を回避するために予算の繰り上げなどを行った結果、今の会計年度が始まったという▼新たな年度のスタートに合わせて、4月1日付で人事異動を発令する企業は多い。今年は新型コロナウイルのまん延で海外を含め新しい赴任先に行けないケースもあると聞く▼新型コロナの感染拡大は景気にも暗い影を落とす。雇用環境悪化を危惧する声も高まる中で、本来であれば最盛期の新卒採用も困難な状況にある▼人材サービス各社の就職説明会は延期や中止が相次ぐ。インターネットを活用した説明会や面接なども行われているようだが、相対せずに就職・採用活動をするのは学生と企業にとって不安や苦労も大きいだろう▼バブル崩壊後の不況期に新卒を含め人材の採用を企業が絞った結果、十分な職業経験が積めない「就職氷河期世代」を生み出してしまった。事態収拾の糸口が見えない今こそ、即効性のある支援策の立案と実行が政府に求められている。

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