2020年3月16日月曜日

【回転窓】危機への備え

新型コロナウイルスに関する暗いニュースばかりが目に付く。11日に世界保健機関(WHO)は「パンデミック(世界的大流行)」を宣言。先行きは不透明で不安も大きいが、直面する課題の解決に向けた対策も着実に進んでいるようだ▼テレワークや時差出勤など働き方を変えるのもそうした取り組みの一つ。感染リスク低減のため政府は企業に実施を呼び掛けている。先月26日、経済産業、厚生労働、国土交通3省の大臣が経済3団体と連合のトップと会談し直接要請した▼国交省の調査(2~4日)によると、都内ではJR山手線のピーク時間帯で車両内の混雑が呼び掛け前と比べ2割強減った。確かに毎日利用する通勤電車の混雑も目に見えて緩和しているのが分かる▼東京五輪・パラリンピック開催中の交通混雑の緩和などを目的に導入を考えていたものの、二の足を踏んでいた企業も少なくなかろう。緊急事態とはいえ速やかにトライした成果が着実に現れている▼近い将来、南海トラフ地震など広域災害の発生が予想される。未知のウイルスへの対策を通じ、自然災害をはじめさまざまな危機への備えを考えたい。

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