2020年3月30日月曜日

【凜】東京都財務局建築保全部・太田由起子さん

◇挑戦を諦めず努力を◇

 東京都の管理職選考(種別B)に本年度、合格した。建築職で年3人ほどの狭き門。最近は女性の合格者も出ていなかった。建築構造の専門職としてキャリアを全うする道もあったが「挑戦しないと後悔する」との思いで数年かけて難関を突破。今後、より幅広い領域で責任ある立場を任されるとあり、「広い視野で都政に貢献していきたい」と決意を新たにする。

 大学を卒業した後はゼネコンで約10年、構造設計に従事した。出産を機に退職し、公務員に転じた中途採用組の一人だ。これまでは主に営繕業務を担当。「建築を通じ社会が抱える問題の解決に携われる」ことがやりがいの源泉という。

 現在は畜産関係の試験研究を担う青梅畜産センター(青梅市)の改築工事に当たる。鳥インフルエンザや豚熱といった感染症リスクが高まる中、最新鋭の施設が必要とされている。東京五輪に向けスピード感を持って進めた東京体育館(渋谷区)の改修工事も大変だった分、思い出深い。

 地道な努力は、いつか未来に生きてくると確信している。子どもが2歳だった入都直後、片道2時間の出先事務所に配属された。建築主事の資格を得ようと、電車の中でも休むことなく法令集を広げた。「子どもが小さいからと挑戦を諦めたらもったいない。やろうと思えば子育て中であってもスキルアップできる」。若手職員にもそう伝えていくつもりだ。

 (施設整備第一課課長代理〈建築担当〉、おおた・ゆきこ)

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