2020年3月9日月曜日

【未完成だけど「こいつ、動くぞ!」】ガンダム GLOBAL CHALLENGE、可動式ガンダムの開発状況公開

 実物大の可動式ガンダムの実現を目指す一般財団法人のガンダム GLOBAL CHALLENGEは、茨城県取手市の前田建設ICI総合センターで3日に製作中のガンダムを報道陣に公開した。巨大な腕や足が動き、テレビアニメのように躍動するガンダムに一歩近づいた。

 公開されたガンダムは高さ18メートル。カーボン樹脂製の外装を取り付ける前の鋼鉄製フレームの状態で、関節部分などには電動の駆動装置が取り付けられている。デモンストレーションでは右腕を前に振り、左足から歩き出す動作を披露した。

 同日はデモンストレーションだけでなくGLOBAL CHALLENGEの石井啓範テクニカルディレクター(写真左)と吉崎航システムディレクター(写真右)、川原正毅クリエーティブディレクターによるトークセッションも開かれた。

 実物大のガンダムは全高が人間の10倍、断面積が100倍、重量は1000倍になるという。石井氏は製作の課題を「人間の体と同じようにデザインすると足で体を支えられないという問題が発生する。デザインとどう両立するかが課題だ」と説明。2009年に完成した立像式のガンダムは重量が35トンにも達したという。今回は約25トンを計画。石井氏は「アクチュエーター(駆動装置)を使おうとすると少なくとも30トン以下にしないと実現は難しい」と大幅な軽量化の理由を明かした。

 デザインを担当した川原氏は、09年のガンダムと比較し、全体のスリム化を特徴に挙げた。「モーターで足を動かす場合、大きな動力が必要になる。先端に向かってスリム化することで実際の可動を担保している」と話した。デザインと可動を両立するため、09年よりも担当者が緊密に連携しているという。吉崎氏はロボットの全体のシステム構成を説明した。

 可動式ガンダムは「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の一環として製作している。前田建設以外に複数の企業が参画。完成したガンダムは今夏から1年間、横浜市中区の山下ふ頭で展示を予定している。人は搭乗できず、遠隔操作で稼働させる。

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