2020年3月24日火曜日

【防火設備導入や国産材の活用求める】首里城再建、士会連合会が提言発表

 日本建築士会連合会(士会連合会、三井所清典会長)は23日、2019年10月の火災で焼失した首里城(那覇市)の再建に向けた提言を発表した。

 200~300年先にも残る建物にするため、実効性のある防火設備の導入を提案。延焼防止のための加工や防火シャッターなどの設置も求めた。材料には耐久性の高い国産木材の活用が重要とした。

 提言は▽防災▽木材調達▽職人手配-の三つが柱。火災の早期発見と対応のため、煙・炎感知器やスプリンクラー、屋内消火栓を分かりやすい場所に設置するよう提案した。正殿の2階や3階の床を防火仕様にすることで延焼防止を図ることや、消防署への自動通報装置の必要性も訴えた。

 木材調達では、1992年の正殿再建時に使用したタイワンヒノキは伐採が禁止されているため、耐久性に優れた国産のスギやヒノキの心材を使うことを求めた。長大材として一本まるごとスギやヒノキを使うのではなく、接ぎ手などの工法を柔軟に取り入れる案を示した。RC造で再建された北殿や南殿は国産のCLT(直交集成板)を使うのも選択肢の一つとした。

 前回の再建では福井県から呼び寄せた職人だけでなく、沖縄県の職人も作業に加わった。地元に伝わる特殊構法があるのに加え、長期的なメンテナンスには人材育成が不可欠となる。今回も本州と地元の職人が組んで作業に当たるよう強調。賃金も仕事内容に見合った形態に変えるよう訴えた。

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