2022年1月5日水曜日

【2022年がスタート】建設各社のトップが年頭あいさつ、キーワードは「変革」

年頭訓示を行う戸田建設の大谷社長(4日、東京都内で)

  2022年の幕が開けた。4日に仕事始めを迎えた企業も多く、経営トップが年頭のメッセージを社員に伝えた。新型コロナウイルスの感染拡大から2度目となる新年。経営トップのあいさつは「変革」「デジタル化」「脱炭素」といったキーワードが目立った。

 昨年6月に就任した鹿島の天野裕正社長は、21年度から3カ年の中期経営計画を踏まえ、目標達成に向けたポイントの一つに「ソフト面でのデジタル化の推進」を挙げた。ものづくりのプロセスで「多くの知識やノウハウといった価値あるナレッジをデジタル化で見える化」することを推進。「誰もが使えるように整理した『知恵の結晶』ともいえるシステムをつくりたい」とした。

 カーボンニュートラルの取り組みの重要性を改めて強調したのは大林組の蓮輪賢治社長。「カーボンニュートラルをはじめとするサステナビリティに関する社会課題をビジネス機会と捉え、新たな収益源による経営基盤の確立を目指す」と力を込めた。

 デジタル化やニューノーマル(新常態)、脱炭素化への対応など、建設を含めた産業界はさまざまな面で転換期を迎えている。清水建設の井上和幸社長は「時代の転換期は大きな飛躍のチャンス」とした上で、「これまでの延長線ではなく、新しい発想やアプローチで企業変革に挑戦する必要がある」と述べ、社会変化を追い風にして事業に取り組む姿勢を鮮明にした。

 大成建設の相川善郎社長は「今年は新型コロナの感染再拡大や競争環境の激化など、事業環境の変化を見過ごすことなく、創業150周年となる23年度の(中期経営計画)目標達成に向けてアクションを加速させる年」と呼び掛けた。竹中工務店の佐々木正人社長は「BIMや新生産システム、業務のデジタル化をより強力に進める」ことで、労働人口の減少や技術者不足などの社会課題に対応するとした。

 昨年4月に就任した戸田建設の大谷清介社長は、注力する取り組みに「サステナビリティの取り組み」「組織改編」「企業価値の向上」の3点を列挙。建設業を取り巻く環境を踏まえ「社会に選ばれる戸田建設グループとして成長していく」と決意表明した。

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