南太平洋・トンガ沖の海底火山の噴火で発生した津波が、日本列島の太平洋側沿岸にも到達した。大きな被害は起きなかったものの、広範囲に出された津波警報・注意報で東日本大震災の記憶がよみがえった人は少なくないだろう◆昨年末に取材で宮城、岩手両県の津波被災地を訪れた。当時を知る語り部の方に話を聞いていた時、「近所にある避難所にどういったリスクや設備があるか知っていますか」と問い掛けられた。避難所となる小学校の場所は知っていたが、設備までは把握できていなかった◆東日本大震災では避難場所だった体育館が海に近く、100人以上が犠牲になるなど、避難の在り方でさまざまな課題が浮き彫りになった。今回の津波警報でも逃げた人の中には避難所が寒く、トイレもないことから、警報解除前に家へ戻った人がいたそうだ◆地震に津波、集中豪雨、台風と日本の災害リスクは枚挙にいとまがない。避難所が本当に安全か、数日間を過ごせる十分な設備は整っているのか--。「もしも」の時に対する想定をもっと真剣に考えたい。(慶)
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