2022年1月11日火曜日

【記者手帖】匿名記者の技を盗め

 ツイッターの検索欄に「匿名記者」と打ち込むと、本名を伏せた記者たちの投稿を見ることができる。最近のニュースについての議論から取材先との付き合い方、同業他社との腹の探り合いまで、ざっくばらんなやりとりが目を引く◆デスクの悪口ばかり書いている物騒な人もいる。これは一番面白い…と思うところだが、そうも言っていられない。自分自身、ことあるたびに「取材が足りない原稿が多い」としかられている◆匿名アカウントの中には、管理職とおぼしき人もちらほら。ある投稿には「若手に指導するときに自分の体験談を話すと自慢のようになってしまうが、抽象的なアドバイスは心に響かない」との悩みをつづっていた。なるほど、会社の先輩も胸中にこういう葛藤があるんだろうなと、分かったような気になってみる◆ただ顔が見えない書き込みを参考にするのはほどほどにしなければとも思う。匿名記者の一人とコロナ禍が一段落したら飲みに行こうかと話している。大いに盛り上がりそうな予感がするが、寅(とら)年に「大トラ」では元も子もない。楽しむだけでなく、しっかりと技を盗んで記者の力量アップにつなげたい。(恭)

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