阪神・淡路大震災の発生から17日で27年になるのを前に、阪神高速道路会社は8日、被災した構造物を保管している震災資料保管庫(神戸市東灘区)を特別公開した。事前に応募した約60人が来場。職員の説明を聞きながら震災の爪痕が残る展示品に見入り、防災意識を深めた。
保管庫は震災の記憶を後世に伝えようと1999年に開設。RC製や鋼製の橋脚、橋桁、支承など34点を展示するほか、阪神高速の被害状況や復旧までの道のりを写真やパネルで紹介している。
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止。例年は予約不要だが、今年は事前登録制にして実施した。見学者は昼夜を問わず復旧作業に当たった当時の映像を見た後、亀裂の入った橋脚や大きくゆがんだ橋桁などを見学した。
震災当時、阪神高速道路公団職員だった坂下泰幸さんの講演も行われ、日本では明治以降、地震被害を受けながら新技術が開発されてきたことを紹介。「普段から研究を続けるといざというときに役に立つ。今後も知見を蓄積すべきだ」と強調した。
この日は宮城県気仙沼市で語り部活動をしている気仙沼向洋高校元非常勤講師の芳賀一郎さんによる講演も行われ、身を守るための「自助力向上」の重要性などを説いた。
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