◇復旧後の道路も美しく◇
水道管や電線など東京の地中にはさまざまなものが埋まっている。政府や東京都らが推し進める無電柱化に関連し、電線共同溝の図面を作っている。電力会社や通信会社、上下水道管の管理者などの要望を聞きながら、電線共同溝の配置を決めていく。見やすさも心掛け図面を作るのはなかなか難しい。そこが「調整役としての腕の見せどころ」と話す。
インテリアの仕事に就くためCADのスキルを習得。オペレーターとして成和コンサルタントに派遣され、初めは短期間だけ働くつもりだった。職場の上司から「もう少しやってみないか」と声を掛けられ、正社員として働くことを決めた。
「あなたの図面はすごく努力していることが分かります」。そんな言葉を打ち合わせの相手から掛けてもらったことがある。CADで線を何度引き直しても図面に跡が残っているわけではない。それでも「見る人が見れば努力は伝わる」と実感、当時の言葉は今も心の支えになっている。
無電柱化が完了した後、歩道がより美しく、災害対策にもつながる設計をするのが今の目標。配置がうまくいかないと住民に親しまれている街路樹を伐採しなくてはならないこともある。「街路樹は残し、電気設備のボックスが歩行者の邪魔にならないよう、歩行者や住民に配慮した図面に仕上げたい」。細かい心配りにプロとしてのこだわりがある。
(なかざわ・ちかこ)
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