英国を拠点に活動する匿名の芸術家、バンクシーの作品を集めた世界巡回展が東京都内で開催中だ。社会風刺を盛り込んだグラフィティ作品を壁などに無許可で描き、賛否が湧き上がることで知られる▼17日からVR(仮想現実)で街並みに描かれた作品を楽しむコンテンツが公開される。すぐに消されてしまい、幻となった作品も体験できるそうだ▼アートのありようは、時代とともに変化しており、デジタルとの融合も進む。昨年には米国出身アーティスト、ビープルのデジタルコラージュ作品が約75億円で落札され話題となった▼現代の社会に対して「問い」を投げ掛けること。それが「アート思考」である。アートディレクターの吉井仁実氏が近著『〈問い〉から始めるアート思考』(光文社)で指摘している。社会の変化に感応しながら挑戦するようなアーティストに注目するそうだ▼DX(デジタルトランスフォーメーション)やコロナ禍で社会が変わろうとしているのは周知の事実。だが、どのような方向性へと突き進むのかは必ずしも見通せていない。都市を担う建設産業にも課題設定力が問われているのだろう。
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