2022年4月27日水曜日

鹿島/残コン・戻りコンゼロ技術確立、液化炭酸ガス利用しCO2削減

 鹿島は建設現場で発生する残コンクリートと戻りコンクリートを、建設現場内でゼロにするシステムを確立した。既存の濁水処理設備を活用し、分離・処理過程で液化炭酸ガスを使用する。残コン・戻りコンを再利用可能な「粗骨材」と、二酸化炭素(CO2)を吸収・固定して中和された「処理土」、pHと濁度を下げた放流可能な「水」に分離する。残コン・戻りコンと、CO2の削減を同時に実現する。
 同システムは大規模現場で一般的に設置する濁水処理装置に、振動式ふるいを追加して構成する。一連の流れは、アジテータ車から散水装置付きの振動式ふるいに生コンを投入後、ふるい上を通過する過程でモルタルと粗骨材に完全分離し、粗骨材は排出する。
 ふるいの下に設置した水槽にたまったモルタルは攪拌(かくはん)して懸濁水状にする。その後、既存の濁水処理装置へ送出。液化炭酸ガスで処理することでCO2を吸収・固定して中和された処理土(炭酸カルシウムと細骨材の混合物)と、pHが放流基準値以下となった処理水に分離し、放流する。
 千葉県市川市の建設現場で同システムを構築し、実証実験も行った。残コン・戻りコンから再利用可能な粗骨材とCO2を吸収・固定して中和された処理土(炭酸カルシウムと細骨材の混合物)に分離できることを確認した。処理水の排水では、pHと濁度を下げて放流可能な水になるまで処理できたという。
 今後は分離能力向上や現場への適用を進め、年内の実用化を目指す。処理土の有効活用や液化炭酸ガスの代わりに重機などの排ガスを使用することも検討していく。
 坂田昇執行役員土木管理本部土木技術部長は「弊社だけで抱え込むのではなく広く使ってもらいたい。業界全体でさらに環境負荷低減に貢献していきたい」と期待している。



source https://www.decn.co.jp/?p=142188

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