中日本高速道路名古屋支社は21日、東名阪自動車道リニューアル工事の第1弾となる蟹江IC~長島IC間の弥富高架橋(下り線)床版取り換え工事(愛知県弥富市)の現場を公開した。工事に伴う交通渋滞を回避するため高速道路の外側から3台の専用機材(揚重機)を使って資機材の搬入・搬出を実施。高速道路上に敷設したレール上に門型クレーンを前後に配置し、床版の撤去と新設を同時に行うなど新工法を導入し工期短縮に努めている。施工は大林組・本間組・加藤建設JVが担当。
東名阪道蟹江IC~長嶋IC間は開通から46年が経過。老朽化や大型車の増加などで損傷が進んでいる。これまで応急的な対応を行っていたが、部分的な改修の繰り返しでは対処できないため抜本的に改修する。昨年5月に名古屋第二環状自動車道(名二環)名古屋西JCT~飛島JCTが開通し、工事中の迂回(うかい)ルートが確保できたためリニューアル工事に着手した。
弥富高架橋(下り線)は橋長1950メートル、2車線。上部工形式は鋼3・4径間連続非合成桁×21連。工事では、延長約1・6キロ区間の老朽化したRC床版をPCa床版に取り換える。
まず、2車線のうち外側の1車線(走行側)を約1・5メートル拡幅して取り換えた後、内側の車線(追い越し側)に着手する。拡幅するのは、将来の上り線改修時に、下り線を対面通行とすることで2車線分を一気に改修するため。
弥富IC側(名古屋方面)と長島IC側(四日市方面)の2カ所に資材搬入用の揚重機、中間部に撤去した床版の搬出用揚重機を設置。工事区間の両方から中間部に向かって順次、施工する。撤去する床版(2メートル×5・5メートル)の重量は約7トン。安全に配慮したセンサー付きの無人台車に載せ搬出用揚重機まで運搬し、トレーラーに積み込む。1日当たり12枚の床版を撤去し順次、PCa床版に置き換える。新工法を導入したことで、当初は約30カ月だった工期が約20カ月までに短縮できるという。
大林組JVが担当する工事名称は「東名阪自動車道(特定更新等)弥富高架橋(下り線)床版取替工事」。工期は2022年1月11日から23年12月まで。
東名阪弥富JV工事事務所の北口雅也所長(大林組JV)は「初めての工法であり、施工手順を守るため作業員への周知に努めている。機械の維持管理も重要で、しっかり取り組んでいきたい」とコメント。
中日本高速会社の福島邦夫桑名保全・サービスセンター所長は「東名阪道リニューアルのパイロット工事。この現場で渋滞の最小化、急速施工、安全性をさらに高めることに取り組み、今後に生かしたい」と話した。
source https://www.decn.co.jp/?p=142115
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