都道府県発注工事で建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録状況などを企業評価に活用する取り組みが広がっている。工事成績評定で加点するモデル工事や、総合評価方式での加点などインセンティブ措置を導入すると表明した都道府県は3月末時点で35団体に達した。CCUS登録率が低い傾向にある地方の建設会社にとって動機付けになるとして、国土交通省は残る団体への働き掛けを強化。2022年度内にも全都道府県で企業評価の導入を目指す。
企業評価の導入表明は昨年3月末時点で21団体と全都道府県の半数に満たなかった。この1年で14団体が新たに導入を決定。残りの12団体も導入を検討している段階にある。
評価方法別に見ると、22年度中に導入予定の団体も含め、モデル工事など工事成績評定での加点が19団体、総合評価方式での加点が18団体、入札参加資格での加点が9団体、カードリーダーなど費用補助が10団体となっている。
建設業振興基金がまとめた2月末時点のデータからは、地方部でCCUS登録が伸び悩む現状が読み取れる。建設業許可業者のうち登録業者の割合は全国平均で19・8%。都道府県別では登録率が高い順に▽宮城県29・2%▽東京都25・2%▽千葉県24・6%▽神奈川県24・0%▽広島県23・5%▽愛知県23・3%-と続く。
一方、登録率が低いのは▽和歌山県9・0%▽奈良県11・5%▽滋賀県11・7%▽大分県13・5%▽長崎県13・7%▽高知県13・9%-など。地域ブロック内で比較すると、中核となる都市を抱える都道府県での登録率が高い傾向にある。
国交省は公共工事全体でCCUSの活用を促すため、全国8ブロックで都道府県・政令市や建設業団体が参加する「ブロック別CCUS連絡会議」を昨年9月以降に設置。初会合では各自治体の取り組み事例や検討事項で意見交換し、自治体関係者や地域の建設業者に参考にしてもらう目的で直轄モデル工事などの現場見学会も順次実施した。6月以降に開く第2回会合で現場見学会などを踏まえた意見や論点を整理し、各都道府県の今後の取り組み方針を議論する予定だ。
source https://www.decn.co.jp/?p=141889
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