2022年4月27日水曜日

物価高騰緊急対策/適正取引へ転嫁対応、国交省が官民発注者らに要請

 政府が26日に決定した原油価格・物価高騰に対応する「総合緊急対策」の建設業関係施策として、原材料費などの取引価格を反映した適正な請負代金や適切な工期を確保する必要性を、公共と民間双方の発注者や建設業団体に周知徹底する方針が盛り込まれた。これを受け国土交通省は受発注者間と元下間でスライド条項などを適切に設定・運用するよう関係機関に要請。民間発注者にも受注者から申し出があれば協議に応じるよう求めた。
 総合緊急対策では中小企業対策の一環で各産業界の「賃上げ・価格転嫁対策」を推進する方策が明記された。岸田政権が主要な政策目標に掲げる「賃上げ」の実現には、中小企業を含めた円滑な価格転嫁が不可欠となるからだ。
 国交省は不動産・建設経済局長名の要請文書を同日付で発出。建設工事標準請負契約約款に記載がある契約変更条項に基づく対応などを各省庁や地方自治体、民間発注者団体、建設業団体に要請した。建設業法の「不当に低い請負代金の禁止」や「著しく短い工期の禁止」の規定に違反する恐れがあるケースも挙げて関係者に注意喚起した。
 都道府県など公共発注者にはスライド条項の活用や工期延長など公共約款に基づく対応に加え、積算に用いる資材単価の適時改定を促す。資材単価を独自設定している場合などは調査時期の前倒しや調査頻度の増加、販売者へのヒアリングなどで最新の市場取引価格を把握するよう求めた。
 民間発注者団体には民間約款にある請負代金額や工事・工期の変更に関する規定を周知。受発注者間の「パートナー」関係を強調し、元下間や資材業者への転嫁円滑化のためにも適切な対応を呼び掛けた。建設業団体にも下請取引の適正化による価格転嫁を促し、同じように取引関係にある資材業者や建設機械・仮設機材の賃貸業者、警備業者、運送業者などへの配慮も働き掛けた。
 総合緊急対策ではアスファルト合材の原料となるストレートアスファルト(ストアス)の価格高騰対策を別途明記。国交省と経済産業省の連名で同日発出した要請文書で、アスファルト合材の取引関係者に価格上昇分の適切な転嫁を働き掛け、公共発注者などに適正な請負代金の設定などを求めた。



source https://www.decn.co.jp/?p=142182

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