2022年4月20日水曜日

四国整備局/直轄砂防堰堤が完成、砂防ソイルセメント堰堤で高さ日本一

 四国地方整備局四国山地砂防事務所が、2011年7月の台風6号に伴う豪雨で被害を受けた高知県北川村の奈半利川中流域の支川・大谷川に整備してきた砂防堰堤が完成した。平鍋ダム上流に3基のソイルセメント堰堤を設置。渓流内に堆積し流出の恐れのある土砂約12万立方メートルの全量が捕捉可能となる。3基のうち大谷川第3号堰堤は堤高29・0メートル。中部地方整備局越美山系砂防事務所の高地谷第1砂防堰堤(岐阜県揖斐川町、堤高27・0メートル)を抜き、国内で最も高い砂防ソイルセメント堰堤となる。
 台風6号では、北川村の平鍋観測所で最大24時間雨量798ミリ、連続雨量1067ミリを記録した。平鍋地区では深層崩壊が発生し、約30万立方メートルの土石流が標高710メートルの崩壊源頭部から標高146メートル(被災時の貯水位)の平鍋ダム貯水池へ一気に流下した。中山間地域の生命線である国道493号が寸断。土石流で生じた津波のような波が平鍋ダムを越流し、洪水吐きゲートが機能喪失した。
 高知県からの要望を踏まえ、11年度に緊急的な対策に着手。12年度から奈半利川水系直轄特定緊急砂防事業として、土砂災害が発生した地域の災害防止対策を進めてきた。
 大谷川第3号堰堤は深層崩壊跡の崩壊しやすい地質の地盤を約18・6メートル掘削し施工した。堤長は91・0メートル。岩田地崎建設が施工を手掛けた。第1号堰堤、第2号堰堤、工事用道路などの施工は同社のほか、武内建設と高陽開発、ミタニ建設工業、高大建設、関西土木が担当した。
 21年度に計画した事業が終了し、整備した砂防堰堤を高知県に移管する。24日に完成式典を開く。



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