2015年8月7日金曜日

【東北の現場から】東北整備局南三陸国道事務所「吉浜道路・唐桑高田道路」

建設中の新気仙大橋。これから上部工が本格化する
45号三陸沿岸道路の新白木沢橋から吉浜インターチェンジ(IC)を通過すると、吉浜高架橋、吉浜トンネル、越喜来高架橋と、巨大な構造物が連なる区間に差し掛かる。吉浜ICから越喜来高架橋の先の三陸ICまでが本年度に開通する吉浜道路(3・6キロ)で、区間の大部分を橋とトンネルが占める。
 越喜来高架橋は下部工と上部工を分割し、それぞれ近接する吉浜トンネル、吉浜高架橋の本体工事と組み合わせて発注した。下部工とトンネルは清水建設・青木あすなろ建設JV、上部工と吉浜高架橋の本体工事は川田建設・安部日鋼工業・日本高圧コンクリートJVが受注した。
 吉浜道路では構造物がほぼ完成し、大成ロテックが仕上げの舗装を進めていた。進ちょくは7月6日時点で35%。

 ◇整備効果を引き出す先導役に◇

 越喜来・吉浜両高架橋の橋面舗装には、表面にきめ細かい粒子、内部にアスファルトを敷き詰めた「ハイブリッド舗装」を採用。滑りにくさと高い耐久性の両立を目指すという。
 岩手・宮城の県境付近に移動すると、県境から1キロほど離れた広田湾沿いに唐桑高田道路(唐桑北~陸前高田間、延長10キロ)の長部ICの現場がある。長部高架橋と連続するこのICは、切り土の高さが最大で38メートルと高低差が大きい。現在31メートルの高さまで土を切り出した。
 切り土で生じる大量の土は大船渡駅前で進む土地区画整理事業に提供している。市との協力協定に基づき、これまでに30万立方メートル以上の土を搬出した。
 ICはダイヤモンド式で、両脇に2本の跨道橋を設置する。伐採した樹木をチップ化し、樹脂で固めてのり面の吹き付けに転用していることも同工区の特徴だ。
 予定地付近には水産企業の団地があり、ICが完成すれば三陸から宮城県北部や仙台までが結ばれ、物流が効率化される。土工は来春にも完成する。

工事が進む唐桑高田道路・長部IC。切り土の高さは最大38メートルに達する
広田湾に沿って北上すると、気仙トンネル(706メートル)、新気仙大橋(438メートル)の建設が進む。新気仙大橋は淺沼組が3月までに橋脚と橋台を完成させ、現在は横河ブリッジが上部工に取り掛かっていた。工事では、あらかじめ工場で製作した鋼桁のブロックをクレーンで架設していく。河川の真上を施工する際は、川の流れや生態系への悪影響を避けるため、上部工を支える支柱を設けないことにした。7月下旬から、300トン級と550トン級の大型クレーンで工事を進め、年内に上部の鋼桁を構築する。気仙トンネルの掘削は鉄建が担当。昨年12月に本体工事に着手、今秋までに完成する予定だ。
 震災から4年以上が経過し、南三陸国道事務所の担当区間では工事が全盛期を迎えている。事業の初期には膨大な量の工事を集中的に発注するため試行錯誤を続けたが、現在は発注のピークを過ぎ、開業後の取り組みを考える新たなステージに入った。東北整備局には、工程を着実に進めながら、地域住民や建設企業、国・自治体を巻き込んで、社会資本の整備効果を引き出す先導役としての役割が求められている。

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