8月は東日本を中心にぐずついた空模様が続いている。東京都心では最高気温の平均が現時点で30度に届かず、前年より2度程度低いという。日照時間は1~17日の累計で32・8時間。1日平均わずか1・9時間程度と極端に少ない▼24年前の1993年を思い出す人も多かろう。日照不足と長雨で米が深刻な不作に。小売店の店頭から米が消えたり、政府が海外からの緊急輸入に踏み切ったりなど「平成の米騒動」と呼ばれる事態に陥った▼ここ数年、真夏の猛烈な暑さは建設業に現場の「熱中症対策」という形で重くのしかかっていた。現場の最前線で働く人たちの健康被害を防ぐため、ハード・ソフト両面であの手この手を尽くしてきた▼今夏は現場の過酷さは少し軽減されたかもしれないが、天候不順の影響は作業工程の遅れなど別の面に出る可能性もある。農作物の収穫や企業活動、個人消費などには既に影響がじわりと出始めている。景気への悪影響も心配だ▼気象庁によると今週には夏の暑さが戻ってくるらしいが、8月ももう終盤である。天気は人間の思うようにはならない。何事もほどほどにと願うほかない。
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