「どうなってるの!?、五輪施設整備」シリーズの3回目は水泳競技などが行われるオリンピックアクアティクスセンターなど7会場を紹介。夢の島公園内に計画しているアーチェリー会場は現在設計に入っており現時点で公表可能な完成イメージがない。設計と並行して盛り土工事が近くスタートする見通しだ。
大井ホッケー競技場メインスタンドの完成イメージ(16年6月時点、ⓒ東京都) |
【開催競技】 ホッケー
【施設動向】 大井ふ頭中央海浜公園に新しく整備される施設。ホッケー競技に加え、フットサルなどにも使える多目的グラウンドとして整備される。客席数1万席の常設のメーンピッチを新築するほか、仮設のサブピッチも整備する。メーンピッチは東京五輪後も都内有数の多目的人工芝競技場として、ホッケーその他の競技の拠点となる予定だ。基本設計および実施設計は梓設計が進めていて、「大井ホッケー競技場(仮称)(29)新築及び改修その他工事」が8月下旬に発注される見通しだ。工期は2019年6月まで。一時的に備え付ける仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は、パシフィックコンサルタンツが他の6会場と合わせて進めている。
海の森クロスカントリーコース
クロスカントリーコースの完成イメージ(環境影響評価書より) |
【開催競技】 馬術(総合馬術、クロスカントリー)
【施設動向】 東京都が東京湾の中央防波堤内側埋め立て地で造成を計画している「海の森公園」の敷地を暫定活用する。環境影響評価書によると、芝の競技コース(距離約6km、幅員約15m)や、ウオームアップエリア(面積約5300m2)などを配置する。「2017年度海の森クロスカントリーコース整備工事」が7月5日に入札公告され8月8日に開札、8月17日前後に結果が公表される予定だ。工期は2018年7月31日まで。コース整備の基本計画策定やアドバイザリー業務はJRAファシリティーズ、詳細設計は東京ランドスケープが担当。
海の森水上競技場
競技場の完成イメージ(16年5月時点、ⓒ東京都) |
【開催競技】 カヌー(スプリント)、ボート
【施設動向】 東京港中央防波堤内側及び外側埋立地間の水路に新しく整備される施設。延長約350mの締め切り堤などの港湾施設や、水門2基、揚排水施設各1カ所、S造2階建て延べ6000m2の競技関連棟2棟などを整備する。基本設計はパシフィックコンサルタンツが担当。実施設計と施工はデザインビルド(DB)方式で一括発注され、2016年1月に大成建設・東洋建設・水ing・日立造船異業種JVに決定した。工事は河川、建築、ポンプ据え付け、水門門扉の四つに分割。河川は大成建設・五洋建設・佐藤工業・岩田地崎建設JV、建築工事は東洋建設・大末建設JV、ポンプ据え付けは水ing、水門門扉は日立造船がそれぞれ担当する。小池百合子東京都知事の就任後、競技施設見直しも検討されたが、建設継続が決まった。工期は当初計画通り2019年3月28日まで。
カヌー・スラローム会場
カヌー・スラローム会場の完成イメージ(16年5月時点、ⓒ東京都) |
【開催競技】 カヌー(スラローム)
【施設動向】 都立葛西臨海公園の隣接都有地に新しく整備される施設。水路に人工的に流れを作り出し、競技ができる国内初のカヌー・スラロームコースとする。基本設計および実施設計はパシフィックコンサルタンツが担当。「カヌー・スラローム会場整備工事」は鴻池組・西武建設・坪井工業JVに決まった。カヌー・スラローム会場の土木関係工事のうち、競技コース(延長200m)やウオーミングアップコース(同180m)、スタート・フィニッシュプール、ポンプ施設、雨水・汚水本管、敷地内通路などを整備する。東京五輪閉幕後は、周辺の公園や水域と一体となったレジャー・レクリエーション施設として活用される予定。
アーチェリー会場(夢の島公園)
【所在地】 東京都江東区夢の島2丁目地内
【開催競技】 アーチェリー
【施設動向】 夢の島公園に新しく整備される施設。恒設の予選会場と仮設の決勝会場で構成する。軟弱地盤対策として、予選会場の盛り土工事(養生含む)を今夏から2019年度にかけて行う。また、予選会場の基本・実施設計は一式で景デザイン研究所が担当している。履行期間は2018年3月15日まで。
オリンピックアクアティクスセンター
アクアティクスセンターの完成イメージ(15年10月時点、ⓒ東京都) |
【開催競技】 水泳(競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミング)
プールの完成イメージ(15年月時点、ⓒ東京都) |
基本設計は山下設計が担当。実施設計と施工がDBで一括発注され、2016年1月に大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業異業種JVに決定した。工事は建築、電気、給排水衛生、空調の四つに分割。建築は大林組・鉄建・西武建設・TSUCHIYAJV、電気は東光電気工事・栗原工業・新生テクノスJV、給排水衛生はエルゴテック・櫻井工業・池田煖房工業JV、空調は東洋熱工業・大成温調JVがそれぞれ担当する。
東京辰巳国際水泳場
水泳場の外観(ⓒtokyo2020) |
【開催競技】 水泳(水球)
【施設動向】 1993年に開業し、水泳の全国規模の大会などに使われている既存施設を改修する。規模はS・SRC造地下2階地上3階建て延べ2万2319m2で、約5000席の観客席を有している。改修に向けた基本設計は環境デザイン研究所が担当した。履行期限は2017年3月23日。一時的に備え付ける仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は他の4施設と併せて日総建が行っている。
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