厳しい暑さが続いている。先日、ある城跡公園に出掛けたところ、中に入った途端に涼しい風が通り抜けた。木々が生い茂り、直射日光が当たらないだけでも随分違う▼環境省の調査では、10メートル間隔で街路樹があると、無い場合に比べて歩行者の累積発汗量が約1割減るという。日傘を差しても同様の効果が得られるそうだ。体質や天候によっても違うだろうが、日陰の有無が暑さを大きく左右することは実感として分かる▼埼玉県と日本洋傘振興協議会が「日傘男子広め隊」なる取り組みを始めた。県の男性職員が男性用日傘を通勤時などに利用してPR。打ち水イベントなどでも広く紹介していくという▼同県では熱中症で救急搬送される人の7割を男性が占める。だが、日傘というと女性のイメージが強く、男性の利用率は低いのが実情。日差しが強い時には日傘が有効と分かっていても、利用に抵抗感があるのでは普及は難しい▼健康を目的とした取り組みだが、男性用日傘が当たり前になれば利用者は急増しよう。市場を広げるには、技術だけではなく文化や意識を変えることも重要。10年後はどうなっているだろう。
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