7月後半から8月中旬にかけて毎年、鮮やかな黄色い花一色に埋め尽くされる山梨・明野のヒマワリ畑。その数約60万本といわれる。26年目となった今年の「北杜市明野サンフラワーフェス」は、ぐずついた天候の影響で人出が例年の8割ほどにとどまったという▼「きょうもお客さん少ないかな」。霧雨の中、会場に設営された朝採れ野菜の直売所に立ち寄ると、主人が心配そうに空を見上げていた▼雨雲が途切れて薄日が差すと、滴を載せた黄色い花がきらきらと輝いているように見え、青空の下とはまた違った映え方をする。「たまにはこういうヒマワリもいいでしょ」という主人に、雨中の畑を歩く元気を頂いた▼「次はダイコンよ」と現地の農業関係者。いくつかの畑は、しおれたヒマワリごと耕し、名産の「浅尾大根」の栽培を始めた。毎年、文化の日の「北杜市浅尾ダイコンまつり」で振る舞う▼8月も終わりに近づいて天気図にようやく太平洋高気圧が目立つ。東日本では8月の前半や盆休みは夏らしからぬ天気に閑散とした行楽地が少なくなかった。それもまた自然。淡々と受け入れ、次のイベントを待とう。
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