2020年3月11日水曜日

【回転窓】あの時、東日本大震災

「あの時、何をされていましたか」。こんな質問を何度もしてきた。あの時の東日本大震災発生から今日で9年目を迎える▼発災後6日目に被災地へ入り、それ以来何度も足を運んだ。1年後に建設業振興基金の依頼を受け、専門紙数社と共同で地元建設業者の方々にヒアリングし「東日本大震災における建設業の災害対応実態調査報告書」を作成した▼当時の取材ノートをめくった。「当日の夜遅くまで、消防の方と人命救助を行った」(宮城県東松島市のM社長)、「自家発電機で明かりをつけるとずぶぬれの被災者の方が大勢詰め掛け会社を開放した」(同石巻市のD部長)▼「町が全滅した。役所の指示はなかったが翌朝5時から自社の重機で道路啓開した」(同女川町のK社長)、「出先から翌日午後に命からがら会社に戻ると、誰もいなかった。社員は自主的に啓開作業に出掛けていた」(同南三陸町のG社長)▼なかには被災者の方々の土葬を手伝った建設会社も。あの時から9年。被災地は復興に向けインフラ整備が大詰めを迎えつつある。その陰には地元建設業者の献身的な活動があったことも忘れてはならない。

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