2020年3月2日月曜日

【回転窓】地方発の文化行政

東京一極集中の是正や地方創生などの観点から、文化庁は中央省庁で最初に地方へ移転する。文化財が豊富にあり伝統的な文化が蓄積されている京都に移る▼2021年度内を目指していた京都移転が22年度以降に延期されることになった。要因は移転先となる府警本部本館の改修工事と新行政棟の新築工事の終了時期が8カ月ほど遅れるため▼萩生田光一文部科学相が「京都府で検討を重ねた結果であり、やむを得ない」というように予定通りの移転に向け関係者が議論を尽くした。だが最終的には週休2日を含む適正な工期を設定するとの結論に▼文化庁は移転を機に17年6月施行の文化芸術基本法を踏まえ、新たな政策ニーズに対応する「新・文化庁」になることを目指している。文化芸術の振興だけでなく観光や街づくり、国際交流といったさまざまな分野とも連携した文化芸術政策を総合的に展開する▼長い年月にわたり日本の文化を形成してきた京都を再び文化行政の中心に据える。明治期以降、西洋文化を吸収してきた日本文化がどう進化し、新たな魅力を生み出すか。地方発の文化行政には大きな意義がある。

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