2020年3月5日木曜日

【回転窓】ファスナー進化論

衣類やかばんなど、身の回りのさまざまなものの開け閉めに使われているファスナー(滑り式留め具)。一列に並んだ金属やプラスチックの務歯(むし)を、スライダーでかみ合わせたり、離したりして開閉する▼1890年代に米国で考案され、改良を加えながら1900年代前半に現在のファスナーの原型が出来上がった。世界市場で圧倒的なシェアを持つYKKのホームページにあるファスナーの歴史によると、日本では昭和初期に広島・尾道の人がファスナーづくりを始め、「チャック印」というトレードマークで売り出した▼時を経てYKKが磁力を活用し、簡単に合わせて素早く閉められる新製品を開発したそうだ。ユニバーサルファッションへの展開を見据える▼中日本高速道路会社は高速道路で初の「ファスナー合流」大作戦を展開中。JCT付近の合流箇所に設けるラバーポールを加速車線の先頭方向まで延伸し、規則正しく車両1台ずつ交互に合流させる。渋滞損失時間3割減などの効果が出ている▼先人のアイデアを現代社会が抱える問題・課題の解決に生かす。古くて新しいファスナーの進化は止まらない。

0 コメント :

コメントを投稿