2020年3月6日金曜日

【回転窓】あいさつが開く扉

「人生で大切なものは幼稚園ですべてならっている」。『他人をバカにしたがる男たち』(日本経済新聞出版社)などの著書で知られる健康社会学者の河合薫さんが講演で話していた▼大切なのはあいさつと迷惑を掛けた時の謝罪、感謝のお礼の三つ。「当たり前のことが、大人になるとできなくなる」と河合さん。「あいさつをする時に心を入れない」ともアドバイスする▼感情が交ざってくると相手の反応が気になって、応答の仕方次第でいらだつこともある。見返りを求めず、ウエートトレーニングのように黙々と繰り返すことが大事という▼ある建設現場の入り口に立つ警備員を思い出した。「おはようございます」と毎朝通行人に呼び掛けていた。ただそれだけだったのが、次第に近所の女性たちと世間話を交わすようになり、子どもたちからも慕われていった▼工事現場は近隣との良好な関係が非常に大切。苦情が原因で工事がストップすることもある。毎日のあいさつの積み重ねがあれば、トラブルが起こったとしても話を聞いてもらいやすくなるはず。家庭にも会社にも共通する。まずはわが身から変えていかねば。

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