2016年2月10日水曜日

【導坑貫通をドキュメントタッチでどーぞ】吉浜釜石道路・荒川トンネルが貫通!!


掘削機が地面に顔を出し

無事、貫通!!
三陸沿岸道路を構成する「国道45号吉浜釜石道路工事」区間のうち、3本のトンネルで最も長い「(仮称)荒川トンネル」が8日、導坑貫通した。東北地方整備局南三陸国道事務所の発注で、大林組・富士ピー・エスJVが施工している。

 吉浜釜石道路工事では、岩手県釜石市唐丹町上荒川から大曽根にかけて、▽唐丹第1高架橋(延長306メートル)▽荒川トンネル(1169メートル)▽唐丹第2高架橋(352メートル)▽唐丹第1トンネル(465メートルが昨年貫通)▽唐丹第2トンネル(521メートル)(いずれも仮称)-を主要構造物として整備中。本年度のハイライトが荒川トンネル導坑貫通と唐丹第1高架橋橋脚部上部の閉口で、橋脚部の閉口は完了している。

 荒川トンネルは、大船渡方面の唐丹第1高架橋A2橋台と直接接続するため、釜石側から掘削を進めてきた。出口側には施工ヤードを確保する場所がないため、先行して導坑貫通となった。8日午前10時、大林JVの松野徹所長が指示を行い、坑内作業班と無線連絡で掘削が開始された。出口となる山肌のり面の内側は、崩落防止のため薬液やコンクリートで固めた切羽が約50センチ残るだけ。橋台付近でも掘削機の動作音が聞こえてくる。

 作業開始から2分、最初の土煙が立ち上り、のり面が坑内に向かって崩れ始めた。のり面に露出している転石や切り株が次々と内側に落とされていく。目立たない作業だが、のり面側には一切の崩落を起こさない安全への対策が施されている。10時27分、トンネル断面上部が口を開けた。作業を見守るJVスタッフが坑内と携帯電話の通話が可能になったことを報告する。

 松野所長は「このトンネルの地質は中世期ジュラ紀の粘板岩と一部はチャートで、比較的硬い山だったが、湧水もなく順調に掘削できた。今後断面の仕上げを進め、春には地域の皆さんを招いて貫通式を、秋ごろに第1高架橋の連結を行いたい」と工事の着実な進ちょくに決意を示していた。全体工期は17年3月末。18年度中の開通に向け、工事は佳境に入った。

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