2016年2月9日火曜日

【将来に遺すべきもの】建設業「命」の現場で・19/第4章・われらの責任

被災地では多くの人が「公の心」を持って働く。
「そこに障害が立ちはだかるのは理不尽だと思う」。大田の実感だ
「将来のために何を遺(のこ)すのか。そこを言いたい」。東日本大震災の発生時、ゼネコンの社長として対応に奔走した熊谷組相談役の大田弘は、インタビューの最後をこう締めくくった。大田は、富山県宇奈月町(現黒部市)の出身。映画『黒部の太陽』に感化され、土木屋として生きてきた。故郷の黒部川扇状地は幾度も氾濫し、多くの犠牲者を出してきた場所。約400年に及ぶ治水の闘いが、現代を生きる人の命を守る。今があるのは先人のおかげ。だからこそ思うのだ。われわれは将来に向けて何ができているのか、と。

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