東京の西の郊外にある住宅団地に暮らして二十数年になる。5階建ての住棟が十数棟立ち並び、計500世帯ほど。かつて公団が分譲した典型的な郊外団地である▼先日、自治会から「2025年の○○団地を考える会を催すのでぜひ参加を」との通知を受けた。同封の資料を見て驚いた。自治会が敬老商品券を贈る70歳以上の高齢者がここ12年で2・7倍、近くの小学校に通う児童は30年前からほぼ半減…そんなデータが並ぶ。空き住戸もあるという▼絵に描いたような少子高齢化。今はリタイアして時間に余裕のある団塊世代が自治会や管理組合の中核を担うが、10年後には果たして担い手はいるのか-とも。日本社会の縮図をあらためて見せ付けられたようで軽いショックを覚えた▼国土交通省によると、住宅団地は全国に5000カ所、うち2800カ所は築25年以上。状況の似た団地は多いだろう。同省は16年度から団地再生促進に力を入れると本紙記事が報じていた。建て替えに必要な住民合意の要件を緩めたりするそうだ▼同封資料には「今から備えれば10年後も安心」とあった。ぜひそうありたいが。
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