2016年2月18日木曜日

【総額は1兆円超!!】JR東、東北・上越新幹線大規模改修へ

JR東日本が、2031年度から供用50年を迎える東北・上越新幹線の大規模改修事業に乗りだす。

 1兆円を超す改修費の積み立てを16年度から開始するとともに、工事計画の検討作業を推進。事業期間中の経営の安定化と旅客サービスの維持・向上を図るため、事前の準備に万全を期して老朽施設の更新を円滑に進める。

 現時点で想定している大規模改修事業のうち、橋梁では橋台と橋桁が接続する支点部の改修工に取り組む。支点部材の取り替えのほか、橋脚・橋台コンクリートの部分的な打ち替え、桁側への鋼材による補強などを実施する。

 コンクリート橋では構造物の表面を樹脂で被覆するほか、スラブ板に埋め込まれた部材、同板と橋梁との間の緩衝材の取り替えなどを行う。

トンネル改修工事のイメージ図
トンネルでは、上部の覆工コンクリートと地山の間の空隙(くうげき)への注入工、シートによる補強工を実施。ロックボルトによって覆工と地山の一体化を図る。路盤改修工では新たに杭を設け、トンネル下面を支持する。

のり面改修工事イメージ図
のり面の改修工では、風化した地山の奥にあるのり面工を取り替えるとともに、排水と補強を兼ねた杭を新たに設置する。

 東北新幹線は、1982年6月に大宮~盛岡間(延長約505キロ)、上越新幹線は同年11月に大宮~新潟間(約304キロ)が開業した。その後、東北新幹線が85年に上野駅、91年に東京駅、02年に八戸駅まで順次開業。10年には新青森駅まで延伸し、現在の路線延長は約714キロに達する。

 JR東日本は、災害に強い鉄道づくりの一環で、新幹線の高架橋や電化柱などの耐震補強対策を推進中。総事業費3000億円をかけた在来線区間も含めた耐震補強計画の約8割が16年度末までに完了する見通しだ。

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