宮城県建設業協会(宮城建協、佐藤博俊会長)が4冊目の東日本大震災の記録誌「宮城県建設業協会の闘い4/あれから5年 復興の先の未来へ」を発刊した。
震災から5年が経過し、JR仙石線の全線運転再開をはじめ復興が結実したドキュメントを時系列で追いながら、地域の復興に取り組んできた会員企業が復興の先をどう見据えているかを明らかにした。
5000部を印刷し、関係団体や行政だけでなく地域の町会や図書館にも配布。地域建設業への社会的理解を促進する。
取り上げた復興ドキュメントは、JR仙石線の運転再開のほか、仙台うみの杜水族館のオープン、いしのまき復興マラソン、大相撲仙台場所の開催など。笑顔や元気を取り戻した被災地の様子を写真で分かりやすく伝える一方、それぞれの地域が抱える問題点も浮き彫りにした。
被災地にとって復興がゴールではない。震災後に一気にインフラの整備・更新が行われたことから今後、建設事業の激減も予想されるが、地域建設業には「地域の町医者」として後世にわたって地域を守り、地域を存続させる使命がある。地域によって問題点の違いも顕在化する中、未来に向けた思いを会員企業に語ってもらった。
未来を担う若手技術者へのインタビューも実施。震災の年に地域建設会社に入社した技術者が何を経験し、どのような思いで仕事に向き合っているかも明らかにした。15年3月に仙台市で開かれた国連防災世界会議の関連行事として、同協会が主催したパブリック・フォーラムの模様も伝えている。
震災から5年。被災地は沿岸部を中心にまだ、多くの課題を抱えており、未来を視野に入れながら復興を進める時期に来ている。
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