前田建設は3日、東京都千代田区の本社で介護問題に詳しい専門家を講師に招き、社員向けのセミナーを開いた。
ダイバーシティー(人材の多様化)推進に向けた取り組みの一環で、介護負担を軽くするこつなどを紹介。介護と仕事の両立に直面する社員が増大する中、本店や支店の部門長、管理部長などマネジメントする立場の社員を中心に約130人が参加し、介護制度などについて理解を深めた。
セミナーは、社長直轄の部門横断チーム(ダイバーシティ推進チーム)が主催。マネジメント層に加え、社内の電子掲示板で募った一般社員とその家族(夫婦)、グループ会社からも参加があった。
同社は、誰もが活躍できる働きやすく働きがいのある職場づくりを推進中。取り組みの一つとして、女性が働きやすい職場づくりに向け、土木、建築、事務の職種別の女性意見交換会を開催したほか、女性技術者・技能者に配慮した現場の環境整備ガイドラインも作成・配布している。
厚生労働省の13年度の調査によると、75歳以上の3人に1人、80代後半の2人に1人は要介護・要支援で、25年ごろには団塊世代が後期高齢者に達し、高齢者人口比率が3割になるという。同社でも、親の介護を担う50歳以上の社員が今後増加する見通しで、対応が必要と判断。育児・介護休業法の改正に伴い、社内の介護制度の見直しも進めており、4月に新制度を開始する予定だ。
セミナーの冒頭、中島信之執行役員経営管理本部副本部長兼管理部長は「介護は誰もが当事者になる課題。迅速に対処し、仕事と家庭を両立するため、介護に関する正しい知識と情報を、当事者として、また会社のマネジメントとして持ってほしい」とセミナー開催の狙いを語った。第一生命経済研究所から招いた講師は、公的介護保険制度や認知症、施設サービス、遠距離介護などについて詳しく説明。質疑応答も活発に行われた。
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