2016年2月9日火曜日

【安心して下さい、抑えますよ】超高層ビルの長周期地震動、揺れ時間半減

野村不動産、野村不動産マスターファンド投資法人、竹中工務店は8日、長周期地震動対策工事を行っている東京都新宿区の「新宿野村ビル」(1978年竣工)で性能確認試験を実施し、制振効果を確認したと発表した。

 制振装置の設置前と比べて、東日本大震災、南海トラフ地震と同等レベルの長周期地震動による揺れ幅が20~25%低減、揺れ時間が約50%短縮することが分かった。

 新宿野村ビルでは、野村不動産と竹中工務店が共同開発した制振装置「デュアルTMD-NT」をビル最上部の52、53階に設置する長周期地震動対策工事が進んでいる。設計・施工を竹中工務店、コンストラクションマネジメントを野村不動産が担当している。工期は15年1月~16年9月。

デュアルTMD-NTは、建物の揺れと逆方向に動く重りを使って建物の揺れを抑制する装置。

 700トンの重りを2段積層ゴムとリニアスライダーで支持し、建物の揺れが小さい時は積層ゴム、大きい時はリニアスライダーがスライドして長周期地震動の揺れを軽減する。

 長周期地震動対策としてTMD装置で改修するのは国内で初めてという。

 性能確認試験は、千葉県習志野市の竹中工務店東日本機材センターで行った。

 実物大のデュアルTMD-NT(縦5・6メートル、横11・8メートル、高さ2・7メートル)を製作し、重りをさまざまな方向から振動させた。この結果、設置前と比べ、揺れの幅、時間とも低減する効果を確認した。

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